代表ご挨拶
こんにちは。代表を務めます林田尚幸です。
令和2年8月に前身である林田農園を引き継ぐ形で、株式会社林田樹苗農園を設立し、社長に就任致しました。
今、戦後78年を迎え、戦後の拡大造林時に植えた木が伐期を迎えており、次々と山から木材が運び出されています。その中で、以外と知られていない事実として山林用苗木が不足している事をご存じでしょうか。
木を切ったまま放置された山は災害を誘発する危険性があり、近年は切ったら植えるという山のルールが定着してきています。弊社もかなり早い時期より多くの注文を頂くようになりました。
しかし、苗木も植物ですので、植栽の適期というものがあります。では、植栽適期以外に木を切った場合の再造林のための苗木はどうでしょうか。実は、戦後、拡大造林時に多くいた苗木生産業者も今は大きく減り、苗木の需要に対して供給が追いついていません。
苗木を植えなければいけない山は増えるばかりです。
さらに新しい問題として、ここ数年植えたくても、植林の人手を確保することができていないとという話をよく聞きます。こんな人手不足の中、植林した苗木がうまく活着せず枯れても植え直す作業は簡単には行えません。
そのために、できるだけ植栽後に枯れにくく、誰でも植えることができる、一年を通して植栽可能な苗が必要とされています。
私たちはそういう苗を作るためにMスターコンテナを利用した苗木生産を率先して行っております。Mスターコンテナは、枯れにくく、植栽に職人技も必要ではなく、かつ通年植栽が可能です。
枯れにくいことで補植の手間をなくし、簡単な植栽で人材を確保しやすくなり、通年植栽で年間の植栽本数を増やすことができれば、再造林も格段に進むと考えています。
Mスターコンテナ苗は、上記のような林業の問題を解決できる事以外にも、長期植栽が可能になることによって弊社も従業員の通年雇用が可能となり、人材育成など経営視点からも強みとなっています。
最近は、あらゆる分野から「スギ」が注目されています。
二酸化炭素吸収源としての「スギ」
改質リグニンの原料としての「スギ」
建築資材としての「スギ」
抗菌作用、抗ウイルス作用としての「スギ」
花粉症にならない、なりにくい「スギ」
まだまだあるかもしれません。
うちで子育てした「スギ」がどんな職業に就くのかと考えるとワクワクします。
弊社は昭和30年に祖父が土地を開拓したところから始まり、長年かけて父が県の研究機関と協力し作り上げてきた育苗の技術が基板となっています。3代目として良い苗を提供できるよう様々な意見を取り入れ、切磋琢磨し、再造林の時代に貢献できたらと考えています。
そして、社会の課題であるSDGs(持続可能な開発目標)を意識した技術向上、経営にも常に最善をつくしていきたいと考えます。
株式会社 林田樹苗農園
代表取締役 林田尚幸
主な受賞歴
平成29年度
第56回 農林水産祭 天皇杯(林産部門)
(現会長/元代表:林田喜昭 受賞)
令和6年度
全国苗畑品評会 農林水産大臣賞
(現代表 林田尚幸・林田洋子 受賞)
研修・視察受け入れ実績
視察実績(一部)
林野庁長官
林野庁林政部長
林野庁経営課長・林野庁整備課長
宮崎県知事・副知事
宮崎県庁・各振興局
県議員団体(県内・県外)
九州森林管理局
筑波大学・東京大学(教員・学生・関係者)等
森林組合(県内・県外)
素材生産業者(県内・県外)
苗木生産希望者
全国苗木生産者のつどい御一行 等
講師実績
県内外の新規苗木生産者
企業向け研修
林業関連団体向け
宮崎県種苗登録(過去)
宮崎県林業アカデミー(過去)
宮崎県林業大学校(過去) 等
事例発表
令和7年度 森林・林業・林産業活性化 九州大会
(森林・林業活性化促進議員連盟吸収連絡会議)
メディア実績
NHK
UMK
MRT
林業新知識 2019年10月号 表紙
林政ニュース R6.3.11発売号 表紙 等
働きやすい環境になるよう取り組んでおります!
経営理念である「樹の子育て」を実行するには、
苗木を理解し、適切な判断ができる“技術”が欠かせません。
その技術は、一朝一夕には身につかず、
季節をまたいで経験を積み重ねることで育ちます。
だからこそ、スタッフには長く働き続けてもらい、
経験値を上げてもらうことが、良い苗木づくりの土台になると考えています。
しかし、続けてもらうためには、無理のない労働環境が必須です。
育苗は一年スパンで動くため、それがデメリットと言われることもありますが、
私たちは、この長さを 雇用のメリット として捉えています。
スパンが長いからこそ、働く人の生活リズムに寄り添った勤務が実現でき、
生活に合った働き方ができることで長く続けてもらう。
これにより、技術が蓄積され、その結果として苗木の質が高まる。
実力はあるのに、環境のせいで働けない。
他の人に迷惑をかけるのが辛い。
そういう、潜在的な力を活かせる働き方を応援しています。
林田樹苗農園は、
良い苗木づくりと良い働き方を両立させることで、
持続可能な“樹の子育て”を目指しています。
令和6年度 出荷量
| 品種 | 育苗方法 | 生産量 |
| スギ | 露地 | 35,000本 |
| コンテナ苗 | 190,000本 | |
| 抵抗性松 | コンテナ苗 | 850本 |
| クヌギ | 露地 | 2,000本 |
沿革
| 昭和30年 | 林田富雄(初代)が川南町にて育苗事業を始める |
| 昭和55年 | 林田喜昭(2代目)に事業を引き継ぐ |
| 平成17年 | 全国山林苗畑品評会 林野庁長官賞 受賞(林田農園) |
| 平成18年 | スギ小型挿し穂の生産技術開発の取り組みで、宮崎日日新聞の産業賞 受賞(県共同研究) |
| 平成22年 | (社)国土緑化推進機構が選抜する「森の名手・名人」に選ばれる(林田喜昭) |
| 平成25年 | Mスターコンテナ苗の生産技術開発の取り組みで、宮崎日日新聞賞の科学賞 受賞(県共同研究) |
| 平成29年 | 全国山林苗畑品評会 農林水産大臣賞 受賞(林田農園) 第56回農林水産祭 天皇杯 受賞(林田農園) ☆認定特定増殖認定事業者に認定 |
| 平成30年 | 国のイノベーション創出強化研究推進事業に参加(林田尚幸) |
| 令和2年 | 株式会社 林田樹苗農園 設立(8月) 法人化に伴い、林田尚幸代表就任 |
| 令和3年 | 森林産業コミュニティーネットワーク(FlCoN)に参画 |
| 令和4年 | 早生樹の育苗試験開始(総合商社依頼) 二酸化炭素装置を使った育苗試験の開始 フェーズ1 |
| 令和5年 | 森林遺伝育種学会 入会 |
| 令和6年 | 二酸化炭素装置を使った育苗試験 フェーズ2 (研究協力:東京大学 後藤晋先生) 6月開始 森林遺伝育種学会にて、ポスター発表 11月 基盤研究(S)「日本列島の森林生態系の形成過程の解明」への研究協力予定 研究代表者 筑波大学 津村義彦先生 |
| 令和7年 | 令和6年度 全国苗畑品評会 農林水産大臣賞受賞 (代表 林田尚幸・林田洋子) 二酸化炭素装置を使った育苗試験 フェーズ2 (2年目) (研究協力:東京大学 後藤晋先生) 6月開始 森林遺伝育種学会にて、ポスター発表 11月 |
会社概要
| 会社名 |
株式会社林田樹苗農園 |
| 事業内容 |
主に山林用苗木(杉、クヌギ)、抵抗性松苗の生産販売 |
| 代表取締役社長 | 林田尚幸 |
| 役員 | 取締役会長 林田喜昭 取締役 林田泰代 取締役 林田洋子 取締役 宮城美佳 |
| 所在地 |
〒889-1301 宮崎県児湯郡川南町大字川南19647-1 |
| TEL/FAX | 0983-27-0247 |
| 創立 | 1955年4月(昭和30年) |
| 設立 | 2020年8月(令和2年) |
| 従業員数 |
7名(パートのみ) |
| 育苗面積 | 3.00ha(うちコンテナ苗用 1ha) |




